田舎移住が3年以下で失敗しやすい原因と解決のヒント
某県の田舎移住支援策で実際に移住し、農家を始めた方にお話を聞きました。
その方が受けたのは、移住候補者が集団生活をしながら田畑の管理方法などを数ヶ月かけて学ぶ支援策だったそうです。
その時は最初20名からスタートだったのですが、集団生活が進むうちに一人抜け、二人抜け・・・という感じだったんだとか。
このような流れは、どんな講座やセミナーでも見られる光景ですが、最後まで研修を終え、いざ移住を認められても、現在もその町で暮らしている人は4名程度なんだそうです。
お話を聞かせてくださった方もご近所の高齢者から世話を頼まれた田畑も見ていて毎日忙しいので、一緒に研修を受けた仲間が町から出ていった理由はあまり知らないそうです。
それでも、何人かの事例を聞かせていただいて、わかったことがあります。
1.田舎特有の人間関係に慣れることができなかった。
2.田舎暮らしをしている中で、本当にやりたいことが見つかった。
この2つは、特に20代の若い人でよく見られるケースです。
ただ、40代以上や定年後に田舎に突然にように移住した人でも、1.の人間関係で挫折することは多いようです。
実は、定年後に田舎へ移住する人でうまくいった人には、
[ある傾向]があります。
・夫婦のどちらかが子供の頃に住んでいた土地で、すでに幼馴染などのコミュニティがある。
・趣味が関係して、定年を迎える10年くらい前から移住した地域に毎月のように通っているうちに、その土地の人たちと友達になっていた。
これらの傾向を見ると、先述の「移住がうまくいかなかった2つ理由」は、どちらもすでに解決済みだということがわかりますよね。
なにせ、家族や趣味をきっかけにすでにコミュニティのある土地に移住するのですから、会社員の経験がある方なら、良好な人間関係を続けることはたやすいわけです。
なんの所縁もない土地でコミュニティに入れてもらうのは、なかなか難しいんですよ。
だって、よほどのコミュニケーション上手でない限り、人口の多い都会であっても、社会人になってから会社以外の場所で新しい友達を作れなくて困っている人は多いですよ。
私も、社会人の新しい友達作りの場を目指して飲み会やビールセミナーなどを、これまでに10年以上開催してきましたが、参加者のすべてが友達として繋がれたわけではなく、極力オープンな場として開催しても雰囲気に馴染めない方は多かったんです。
ですから、田舎移住を考えている方は、まず、
・釣りやハイキングなどの趣味がある方は、お気に入りの土地があるなら足繁く通うこと。
・親の田舎などがある人は、親のネットワークを使って「地域デビュー」を早めにしておくこと。
これは結構効果のあるコツですよ。